デミスターの原理
ワイヤーメッシュの分離作用は衝突作用であり、液体中から発生する蒸気は塔中をを上昇し、デミスターと衝突します。その際、蒸気に含まれているミストは線の濡れ性と毛細管現象により集合し成長してだんだんデミスター内を落下していきます。そして、適当に大きくなったミスト(液体になる)は重力によって塔中を落下し、純粋な気体のみがデミスターを通過し、上昇していきます
特徴
- 90%以上の高捕集効率
- 高い空間率を有しながら、接触表面積が非常に大きい
- 圧力損失が少ない
- 安価で軽量、取り付けも容易
- 色々な材質での製作が可能(樹脂も可)
- 既存の装置への取り付けが可能。しかも作動部分が無いため、動力が不要
主な用途
- 船舶用オイルフィルター
- オイルエレメントフィルター
- ダイオキシン分離デミスター
- 石油化学精製デミスター
材質
ワイヤーメッシュデミスターはあらゆる材質で製作可能ですが、一般的に下記のような材質の線材で製作されます
- ステンレス(SUS304・316・316L・310S・329J4L・430)
- インコネル600
- モネル400
- ハステロイ
- カーペンター
- チタン
- ニッケル
- アルミニウム
- 銅
- 真鍮
- 亜鉛引鉄線
- 軟鉄
- ポリプロピレン
- ETFE
- PFA
- ガラス繊維 など
デミスタースタイル一覧
スタイル No | 空間率 (%) | 表面積 (㎡/㎥) | 密度 (kg・㎥) |
---|---|---|---|
AD80 | 99.0 | 158 | 80 |
AD120 | 98.5 | 210 | 120 |
AD144 | 98.2 | 280 | 144 |
AD192 | 97.5 | 375 | 192 |
AD390 | 95.0 | 750 | 390 |
AD216 | 97.2 | 905 | 216 |
AD432 | 94.5 | 1780 | 432 |
ADW220 | 97.2 | 428 | 220 |
スタイル No | |
---|---|
AD80 | 特に小さい圧力損失を求められる場合、また高粘度のミストを分離するような目詰まりの恐れがある場合に使用します。他のスタイルと比べ、平均以上の気体速度が可能ですが補習効率は幾分低くなります。あまり高効率が必要でない場所に最適です |
AD144 | 一般によく使用されるスタイルの一種で、5~8μ程度の粒子に対して、1~5m/secで95%以上の捕集効率を有します |
AD192 | あらゆる分野で使用されており、現在最もスタンダードなスタイルで、圧力損失はやや高くなりますが、高い捕集効率を誇ります。3μ以上の粒子に対し、1~6m/secで捕集効率は99%以上、また大きさが3μ以下の粒子でも90%以上の捕集効率を有します |
AD216 | AD192より圧力損失は大きくなりますが、ミストの量が少なく、そのミストが1~3μ程度の極微粒子に対して、高捕集効率を有します。通常、200mm以上の厚みで使用されることが多いスタイルです |
AD432 | AD216と同様の用途に用いられますが、密度が2倍の為、0.8~1μ程度の極微粒子の捕集に使用されます。圧力損失も高くなりますが、最も高効率なスタイルになります |